
| TOPページへ⇒ |
| 消費者庁の設置や改正特商法の施行など、消費者保護をめぐる体制が変化しています。顧客に選ばれる業界になるには、何が求められているのか。LPガスをはじめ、エネルギーに関する消費者からの相談事例を交えながら、消費生活相談員からのワンポイントアドバイスを掲載します。 |
| 最終回 消費者に選ばれるエネルギーであるために |
| 規制緩和によるエネルギーの自由化が、本当に消費者のエネルギーの選択の自由につながっているのか、疑問に感じる。規制緩和により、新たに参入した事業者の訪問販売が増えてトラブルが増加した。その頃から消費生活センターへのLPガスの相談件数が増えてきた。とくに、首都圏などで繰り返される切り替えトラブルは、訴訟にまで発展し、業界のイメージを悪くしてきたのではないか。そして、今回の改正特定商取引法施行へとつながっていったように思えてならない。 LPガスは勧誘されるのが面倒だから、とオール電化を選択した消費者は単一エネルギーの家に暮らすことになり、エネルギーの多様化とは無縁になる。災害時への備えは十分だろうか。 LPガスの利用者が減少すれば、コストが増え、ますます価格が上がるだろう。山間部でLPガスが利用できなければ、電気を選択せざるをえない。多様性こそライフラインにとって安全の要ではないのか。もっとLPガスの環境性の良さや災害時の強み、使い勝手の良い炎についてPRしてほしい。 そしてやはり、消費者の求めるものは、安くて安全で使い勝手の良いエネルギーである。より一層の低価格と安全性が両立するような努力を望みたい。LPガスのファンを増やすためにも、Siセンサーコンロなど使い勝手の良い調理器具の積極的なPRをしてほしいと思う。 消費者が自由に選択できるようなエネルギー市場であるために、LPガス業界のさらなる健全な発展に期待したい。今回の特商法の改正を、消費者から選ばれるエネルギーであるためのチャンスと捉えてほしいと願っている。(詳細はプロパン産業新聞2010年6月22日付で) |
| 第11回 ネット通販で購入したガスコンロを返品したい |
| ≪相談内容≫ インターネット通販のサイトに出ていたガスコンロのサイズが、置き場所にピッタリだったので注文した。しかし、商品が到着して取扱説明書を見ると、左右と奥行きに余裕を持たせて設置するように記載されていた。返品希望のメールを送ったが、開封後は返品できないとの回答がきた。クーリング・オフができるのではないか。(詳細はプロパン産業新聞2010年6月15日付で) |
| 第10回 賃貸アパートにおけるLPガス契約のトラブル |
| ≪相談内容≫ 事例1 LPガス料金が近所と比べて高く、他業者と契約したいが大家が許可してくれない。 事例2 アパートに入居したが、LPガス事業者から保証金を要求された。保証金について説明を求めても、預り金と言うが、清算後に残金を返金してくれるか心配である。 ≪回 答≫ 事例1のような「LPガス料金が高い」という苦情相談が、賃貸アパート住人から消費生活センターに多く入る。LPガス供給契約はアパートの入居者との個別契約になるが、LPガス事業者の選定は大家が行う。従ってLPガス料金は自由料金なので、地域の最新価格情報を得て((財)石油情報センターを紹介)、大家と話し合い、契約しているLPガス事業者と価格の交渉をするよう助言している。 事例2の保証金は、アパートを引越すときの、ガス料金の精算のための預り金である。入居者には、事業者にきちんとした説明を求め、引越しをするときの手順を確認するよう助言している。預り金は引越日に清算となるが、約束の時間に事業者が来てくれなかったと、不満を述べる相談者もいるので、時間厳守でお願いしたい。(詳細はプロパン産業新聞2010年6月8日付で) |
| 第9回 太陽光発電の訪問販売 |
| ≪相談内容≫ 4カ月前に訪問販売事業者から「太陽光発電システムは、余った電力を電力会社に高く売ることができるので、ソーラーシステムの代金はすぐに回収できる」「国と自治体の補助金も受けられるし、今ならモニター価格で値引きする」と勧誘されて、300万円の太陽光発電システムを契約した。しかし、電力会社から買い取ってもらえる電気料金は毎月1000円にもならず、補助金も国だけしかもらえなかった。事業者の説明と大きく食い違うので解約したい。(詳細はプロパン産業新聞2010年5月25日付で) |
| 第8回 修理を依頼したのにオール電化を勧誘する事業者 |
| ≪相談内容≫ 自宅のガス給湯器が故障したため、インターネットでみつけた事業者に電話で修理を依頼した。半時間程度でサービスマンが到着して点検したが、故障個所がわからないため修理ができず、翌日詳しい技術者を連れて再度来ることとなった。 しかしその後も「ガス器具は危険で料金も高い。修理はやめて、これを機会に全部電気製品に代えたほうが良い」と言ってなかなか帰ろうとしなかったため、不審に思った。 翌朝、「ガスの専門業者に修理を頼むのでもう来ないでほしい」と電話したら、車両・人件費や技術料として2万円を請求された。広告や電話では出張費用がかかるとの説明は全くなかったため、支払いたくない。(詳細はプロパン産業新聞2010年5月18日付で) |
| 第7回 イベント会場で契約したガステーブルの事例 |
| ≪相談内容≫ LPガスの販売会社からイベントの招待状をもらった。子どものヨーヨーつりなど楽しそうなので出かけて行った。料理の実演、体験コーナーに参加、ビルトインのガステーブルコンロが気に入り契約した。3割引になっていたが、11万円と高額であった。家に帰り夫に話したら、「今使っている物は壊れていないし、経済的に余裕もないのに何を考えてる」と叱られ、最後は夫婦喧嘩となった。解約したい。(詳細はプロパン産業新聞2010年5月11日付で) |
| 第6回 建売住宅購入とプロパンガス契約の事例 |
| ≪相談内容≫ 4年前に建売住宅を購入した。引越当日、不動産業者がLPガス業者を連れてあいさつに来た。LPガス業者はガスを開栓、給湯器の使い方等を詳しく説明した。数枚の書面を渡され印鑑を押すように言われたので、あわただしく署名・捺印した。 最近、他のLPガス業者から訪問勧誘を受け、ガス料金の安さに驚き、そのLPガス業者と契約することになり、利用していた業者に解約の連絡をした。数日後、その業者から高額な消費設備と給湯器の解約料を請求する書面が届いた。初めてLPガスの契約書を読むと、消費配管と給湯器はLPガス業者の所有とあり、15年以内に解約する場合は解約料を請求すると書いてある。解約料の説明を受けていないと主張したが聞き入れてくれない。(詳細はプロパン産業新聞2010年4月27日付で) |
| 第5回 給湯器の点検後、高額なリフォームを契約した事例 |
| ≪相談内容≫ 5日前に作業服を着た業者が訪ねてきて、「マンション全体のガス給湯器の点検を行っている。古くなっているため、お宅の給湯器はいつ壊れてもおかしくない。今ならまとめて発注するので、通常の半額で工事できる。今日が注文の最終日になるから、急いだほうがよい」と説明された。 管理会社の指定業者だと思い込み、すぐに申し込んで、2日後に交換工事を行った。その際に、サービスで給水管の洗浄をしてもらったら、錆びがひどくてこのままだと水漏れして大変なことになると言われ、追加で高額な浴室のリフォーム工事を契約した。後で管理人や別の業者に聞いたら工事の必要性がなく、金額も高いことがわかった。給湯器工事の代金は現金で支払い済みだが、どちらもキャンセルしたい。(詳細はプロパン産業新聞2010年4月20日付で) |
| 第4回 オール電化の訪問販売の事例 |
| ≪相談内容≫ 7日前、「オール電化にすると光熱費が今までよりずっと安くなる、説明に伺いたい」と電話があり、業者が訪問した。「オール電化にすると、今までの光熱費が半分になる」「今ならキャンペーン中なので工事費は無料になる、このチャンスを逃がしてはもったいない」「光熱費が安くなった分で電気温水器が買えるから」などと勧誘され、電気温水器とIHクッキングヒーター、総額200万円をクレジット払いで契約した。 息子から「どれだけ光熱費が安くなるのかわからないし、長期のクレジット契約なので手数料を加えると総額300万円位にもなるし、15年間も払い続けられるのか」と言われて不安になった。クーリング・オフしたい。(詳細はプロパン産業新聞2010年4月13日付で) |
| 第3回 新築住宅への切替勧誘の事例 |
| ≪相談内容≫ 新築建売住宅に引越して片づけをしているところへ、LPガス販売事業者の訪問を受けた。当社と契約をしてくれたら、1立方b当たり100円以上安くする、消費設備の買い取り費用も当社が負担すると勧誘された。今までは都市ガスを利用していて、LPガスの利用は初めてだが、あまりにも価格が違うので驚いている。ガス料金が安くなるのは魅力だが、信用して良いものか。(詳細はプロパン産業新聞2010年4月6日付で) |
| 第2回 偽造された委任状 |
| ≪相談内容≫ LPガスの販売会社から、解約の委任状が届いたと電話で問い合わせがあった。まったく覚えがなかったので、委任状を見せてもらった。書いた覚えはなく、印鑑も家の物ではない。1週間ぐらい前に「安くするから!」とLPガスの人が来たようにも思う。高齢になり忘れっぽくなっているので不安。どうしたらよいだろうか。(詳細はプロパン産業新聞2010年3月23日付で) |
| 特定商取引法改正の影響 |
| 消費生活センターの相談現場にはさまざまな相談が入ってくる。そのなかでLPガスに関する2008年度の相談は3862件、全体の0・4%である。全体の相談件数から比べればLPガスの相談はわずかではあるが、相談件数の順位は毎年確実に上がっている。2008年度に寄せられた相談の商品・役務別分類では、LPガスに関する相談は44位にまで躍進した。(国民生活センター消費生活年報2009より) 昨年12月1日から特定商取引法が改正施行された。特商法は1976年に「訪問販売法」として制定され改正を重ねてきた。2000年に現在の名称に改称され、内容もさらに改正されている。特商法は消費者トラブルを生じやすい訪問販売などの特定の取引類型に対する規制である。 今回の改正の大きなポイントは指定商品・役務の廃止で、これにより原則すべての商品・サービスがこの法律の適用を受けるようになり、LPガス取引も適用となった。すでに契約している顧客、店舗での契約、消費者から申し込みをした場合などは適用されないが、訪問販売で新しい契約をした時にはクーリング・オフの記載された書面の交付が義務付けられる。訪問販売の場合、消費者は書面を受け取ってから8日間は、無条件で一方的に契約を解除できる。事業者には原状回復義務があるが、消費者を保護する法律なので、消費者には商品を使ったとしても支払い義務はない。 特商法が適用になったことでセンターへの相談が増えると思われるが、消費生活センターとLPガス事業者と連携を図り、悪質な勧誘や契約・解約のトラブルをなくしていきたいと考えている。相談員から連絡が行った時には、面倒がらずに対応してほしい。改正特商法をきっかけとして、書面の交付・適切な説明、料金の透明性の確保を通じて、業界のイメージアップを図ってほしいと願う。次回からは、改正特商法施行の影響を踏まえながら最近の事例を紹介したい。(詳細はプロパン産業新聞2010年3月16日付で) |
| (消費生活専門相談員 林弘美) |
| TOPページへ⇒ |